在野の神学(?)と一神教と秋田圏
他の記事からのおまけになります。
つまり当作品に一定層存在する神学好きの
同志だけが得する定期的な
(神学だと微妙にしっくりこないんですが
なにかないですか?)
コメントはこちら。
(追記:一神教ポリスメンに捕捉されたので
ところどころにリアルタイムでツイートを
差し込んで行きます)
>日本の神道は伝来した仏教の影響を受けたけど、
カンドンブレはキリスト教の影響を受けた神道(精霊信仰)という
感じなのかな?
しかし世界中に土着の多神教の神、さらに分御霊までいると
考えるとすごい数だなー、まさに八百万。
まさにこの世は神だらけ、おそらく文化の数だけ
神話があり神が存在するんだと思います。
カンドンブレは見た目がややショッキングですが
その要素を見ていくと神道によく似ています。
…思いっきり語りまくりたいんですが、まだ
作中で触れていないので我慢します(ウズウズ
でも馴染みがなさすぎるのも困りものなので一つだけ。
カンドンブレもブードゥー教も同じ神話から生まれた
派生宗教ですのでピンと来ない方はブードゥーを
思い浮かべていただけたら~
(カンドンブレではオグンはオリシャ
ブードゥーでのオグンはロア、神の性質は同じ)
…今回のお話、説明を一気にやると今までのように
セリフだけで画面が埋まりまくるので、キャラクターで
魅せながらちょこちょこ差し込んでいくという
カンドンブレ・移民・聖人・一神教のほうに惹かれた
方にはじれったい組み方をしてしまいました。
(「聖人は?」)
— リラ (@dettalant) 2017年1月13日
(そりゃそう言われるわー)
こういう手法のほうが神学スキー以外の方にも
楽しめるかな?
っと思いましたがいけるかどうかビクビクしながら
描いていたりです。

(私の)心の声。
>キリスト教は勢力を広げるのに土着の信仰されていた神を、悪魔や
精霊として唯一神の敵や配下として吸収・改竄していったと聞きました。
カンドンブレは初めて目にしますが、その吸収されたひとつかな?
大昔、一神教に雑味が少ない時代はそうでした。
しかし時代は進み新大陸を見つけヨーロッパからの
入植が進んでいく時代では少々様子が変わってきます。
カンドンブレはそういう時代の信仰ですので
悪魔に落とされておらず、むしろ一神教を
取り込んでいます。

(具体的になにを取り込みどうなったまでは
やれないと思うのでそこらへんは次回のTipsに
書いておきました)
注釈を入れますと
オロドゥマレよりはじまる上4つの神が
神道でいうところの
神世七代より上の神様。
男神オシャラはアマテラスポジションで夫婦神、
女神イエマンジャはオシャラの妻です。
オシャラと習合した聖人がイエス・キリストですので
特別な神という事が伺えます。
そしてオグン含むその他の神がアマテラスより下の
神道の神と考えれば分かりやすいかと思います。
>日本語の「神」は「god」と訳すのか?という話、日本において
いろいろな宗教観を学ぶ上では必須のお話ですね
冒頭、言葉を訳すときは神社等で推奨している訳し方に
ならうようにしています。
本来ならば、神は「GOD」ではなく「KAMI」のほうが
推奨されているように感じましたが。
私が歩き、調べ、考えた末に掴んだ「神」という
ものの答えが
人はわけのわからないものを嫌うので
安心を得るための説明的象徴。
すなわち
・不可思議で当時の理解を超えた概念のシンボル
(生・死・運・天・地etc)
・未知の部分が多い願望のシンボル
(稲荷・蒼前様・三吉霊神などの現世利益的な神)
・不運などのを飲み込むための諦めのシンボル
(祟り神・貧乏神・稲荷などバチに関わるもの)
そいうものと位置づけています。
生まれること、死ぬこと、幸運、不運。
現代でもはっきり答えがないことに人は悩みます。
あ、幸運は違うんじゃ?
そう思われるかもしれませんが、幸運(不運)は理由なく
降りかかる事象。
この理由なくの部分を飲み込めるか飲み込めないか。
ここに悩むわけです。
これにそれっぽい答えを見つけられた人がよく書くのが
私の成功術的な本。
成功の一部分を占めている幸運に答えをこじつける
ことが出来たというカラクリです。
(い、一部の本はってことでひとつ…)
答えが見つけられない人に忍び寄るのがカルト。
成功者や高学歴なのに入信する事例、これは幸運不運
未知を割り切れなかったケースが多いです。
(それは○○が祟っているからよ
それは○○様のおかげなのよ
その答えは○○に帰依すればわかる
などのハッキリした答え(?)に
悩みに悩んだ人はコロッと納得します)
つまりしかるべき理由があると思い込む。
「たまたまだってガッハッハ!」
「そんなの知らねーよ」
こう言えちゃう人、ある意味ではとても強いです。
まだ迷信や神頼みが機能していた時代なら
神のしわざにしておけばいいのですから
気が楽です。

原因を内に求めず外の概念にあずける。
答のないものに悩みまくるより健康的です。
アメリカの創造論支持者は過半数越えてるけど、科学者の中では激烈少数派……ってことを思い出した。「それ以上考えなくてすむ論理」ってあるよね。
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
信仰から卒業した現代で代わりにはばを
効かせているのがレッテルです。

26話、レッテル=カテゴライズ。
「あなたA型っぽいよね」
こういう方に一定数いるのがA型であると分類し
目の前の理解に至っていない人を理解したと
思い込み安心を得るという心理。
自分の興味のない事象、未知の人を間違っていたとしても
何かにこじつけて理解した対象に変化させ納得(安心)する。
KAMIというシステムが機能しなくなった
現代の興味深い現象です。
(GODのほうはまだ機能しています)
この流れで論を組み上げると
「妖」や「妖怪」
ここを見逃せなくなります。
私はこれを、信仰がプラスされたなら
神になりえたものたちと位置づけています。

(その代表がシロ)
ですので本作は「KAMI」ではなく「spirits」で
行こうと考えました。


ですのでどちらも「spirits」
カミをspiritって書くの、勝手に荒御魂とか分御霊とかのたまに通ずる部分を感じてる
— 融(あきら) (@meltyhip) 2017年1月30日
>唯一神かぁ……
神が唯一神のみである宗教って所謂アブラハム系、ユダヤ・キリスト・イスラム、
およびその派生・分派しか知らないんだけど、他にあるんだろうか……?
(コメント補足:ユダヤ・キリスト・イスラム。
これらをアブラハムの宗教と呼びます、コメントは噛み砕いて
書いてくれたんだと思います)
Q.アブラハムの宗教だけが一神教?
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
A.いや、他にもある。バハイ教https://t.co/xiIYuwH4WC を始めとして、結構あるのよ一神教。
>本来ユダヤの教えでは「他の神を崇めてはいけない」という
意味だったのが、時を経て「神とは唯一神のみで、他は騙りである」
という教えになったそうな。
> 「神とは唯一神のみで、他は騙りである」あたりの部分
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
基本的には十戒にある「偶像崇拝の禁止」が大元。で、「偶像でないのは真の神だけ」って論理に繋がってるから、崇めるのもだめ……ってのが、学問上の共通教義。
現実的には教派によって違う、としか言えない。
主のみを信じるという教えなので、神じゃないけど崇めてます、と言うのも
駄目だったかな?
この辺詳しく踏み込んでいくと訳がわからなくなっていくので、どんどん分派が
増えるのだけど、あくまで人間に理解出来てないだけなので唯一神の教えが
間違ってるとかそう断じるのも早計なのだ……。
これが最初のほうで書いた雑味です。
一神教は大陸の宗教ですので少しづつ少しづつ征服や併呑で
混ざります、当時の宗教は説明で学問で文化の背骨です。
@osLV3 @dettalant 丨_・)
— 悪魔憑き (@demonomania666) 2017年1月30日
元々「科学」という分野は「主の創りたもうた世界の理を探り、その美しさを讃えよう」という学問だったとかなんとか。
これらを繰り返した結果がおいそれと理解できない
複雑な一神教の姿です。
(私もさして理解していませんが、文化と歴史からなら
いくらかわかります)
>唯一の神にして万物の創造主であり、終わることの無い国の主だけど、
別に全知全能とは一言も言ってないのに、いつの間にか全知全能って
事にされてたり、信者ではない人間から見ると唯一神も大変だなあ、と
他人事ながら思ったり。
(全知全能ではない、とも言ってないので、実は元々そうなのかもしれませんがw)
Q. ゴッドさん、全知全能って自称してないんじゃ?
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
A.とりあえず『聖書には』あの手この手で全知全能って書かれまくってるのでヨロシクゥ! あと、「世界の創造主」が全知全能ちゃうかったらあれやん……なんかわびしいやん……。
こ、これは神様をガチめに扱っている作品をブッパ
している以上触れたら危険なレッドアラート!(逃走
>元々、一神教の「神」という言葉と多神教の「神」という
言葉は、指す概念が違うのですよね。
一神教における「神」は本来、我々の言葉では「天」の概念に近い。
あるいは「人格化された宇宙そのもの」と言えるかもしれない。
Q.一神教の神さんって、「天」って呼ぶほうが近くない?
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
A.なにもかも「神=God」の翻訳が定着しちゃったのが悪い。あれはまさに神ってる翻訳でしたね……。
なので、(一神教の神を除く)超常的存在を「宇宙をより良くしようという
意思があるもの」と「ないもの」に分けて、前者を『天使』、後者を『悪魔』と
名付けるのなら、そりゃあ多神教の神々は悪魔ですわとしか言いようが……。
(だって、そんな大それた目的意識で動いてる多神教の神なんてレアですから)
Q.天使と悪魔の教義
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
A.んー、「天使=ゴッドの意志を果たすもの」「悪魔=ゴッドの意志に反するもの」とはされてるけどね。そのへんは解釈によって非常に曖昧な部分。そのへんの二元論、ゾロアスター教の流れも入ってて、めっちゃややこしいのよー。
@meltyhip この排他性が一神教の特徴でここを理解してあげないとわかりあえないジレンマでもあったりで(難
— LV3@秋田推し (@osLV3) 2017年1月30日
(アブラハムの宗教七つ奥義が一つ、「お前は悪魔だ」レッテル攻勢。受けた多神教の神は死ぬ)
— リラ (@dettalant) 2017年1月30日
我々の不幸は、一神教が生まれた当初ならともかく、概念が整理されて
現在の形になった今も、当初使っていた「god」という単語をそのまま
使っている事なのでは、と思っています。
なんか色々と思い浮かぶけれども言葉に出来ないのが
もどかしいです(書くのがヤバイではなく言葉に出来ない的な)
より良いものにしようとする者(あるいは逆)
これが多神教の楽しいところ…
何かをしようとする行為、これは欲であり意思です。
つまり俗っぽく人間味を感じます。
GODは逆で現世には興味があるのかすらよくわかん…
…あ、一神教ポリスメンの気配を感じたのでこの辺にしておきます。
う~ん、やはり私はアニミズムの視点からお話するのが
限界です、ややこしいぜ一神教!
今回は答えるほうもアレですがコメントも負けず
劣らずでした。
ですがこれ、私が望んだ展開ですので大満足!
そもそもストーリーを思いついたとき、この手の話に
惹かれる方って普段マンガよりややこしい本を読む
タイプじゃあ…(ゴクリ
そう思いました。
つまり、届いたらラッキーと思っていた方に届いた。
そういう風に考えているので長文を読むたびに
小躍りしています。
そうそう、長文といえばもうひとつだけ、
>I’ve been browsing online greater than 3 hours nowadays, but I by
no means found any interesting article like yours. It’s beautiful price enough for me.
In my view, if all site owners and bloggers made just right content as
you probably did, the web will be a lot more useful
than ever before.
(翻訳:dettalant)
私が今日、三時間以上ネット見てた中で、あんたに並ぶような
作品を作ってる人はいなかった。
これは私にとって素晴らしいものだった。
私見だけど、もし全てのサイト管理者やブロガーが、あなたに並ぶような
コンテンツを生み出せたなら。ネットはもっともっと素晴らしい物に
なるだろう。
これまでとは比べ物にならないくらい。
Thank You!Obrigado!ありがとう!
正直海外の方に神道的アニミズムな世界観を理解して
もらえるかは難しいと思っていたので嬉しいです!
これからもそのまんまおぼえても問題のないよう
描いていきますのでよろしくお願いします!
英語圏にも読者がいることに感謝しつつ
記事を締めたいと思います。

(秋田圏)
スペシャルサンクス
まださなぎ管理人、一神教ポリスメン(兼業農家)
リラさんは一神教警察と百合農家とどれだけ職に就くつもりなの
— 融(あきら) (@meltyhip) 2017年1月30日


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昔とある漫画で挙げられた「科学者は子供なのです」という台詞を今でも覚えています。
子供が何でもかんでも「何故? どうして?」と聞くように、科学者も「これは何故だ、どうしてだ」と疑問を追求していく人々です。
ならばこそ、「小難しい本」と漫画・アニメ・小説の間にさしたる境界はないと思います。
それはそれとして「シロたん萌えー」とか「三吉対決とか手に汗握るぜ」とか言うのも正しい楽しみ方であると思っております。
この辺は私がどう言おうが、他の読者はそれぞれの楽しみ方をするので言わずもがなでしょうけどw。
余談ながら。
「訳のわからないものを嫌い、安心する為の象徴」とは、別の言い方をすると、「理解の及ばぬ結果を説明する為に仮定された未知の介入者」とも言えるでしょう。
象徴なら人格は必ずしも必要ではありませんけどw
そしてそう説明するならば、それは「世界の正しい姿を理解する妨げ」であり、真理への到達を妨害するモノです。
と考えると、メガテンで超常存在を「悪魔
」と総称するのは言い得て妙だなあ、と。
原作者がそこまで考えていたのかは存じませんがw。
No title
>・未知の部分が多い願望のシンボル
>・不運などのを飲み込むための諦めのシンボル
これらに加えて、『単に超人的な能力を持った存在』も「神」としてお忘れなきよう!
(例の大魔神なんかがまさしく好例……あとはスラング的な「神」も)
いずれのケースでも、意味する事は単純で、『超越的存在』って事ですな。
ところで日本語には、「神」と全く同じ読みで「上」という言葉があるわけで、
つまり漢字が入ってきて「神」と「上」とは区別されたけれど、
語源的には恐らく『神』ってまさしく『上位(超越的)存在』でしかないのだろうなぁ……。
だから一神教的な意味での神も、天使も、悪魔も、妖精も、英雄も、ぜーんぶ神。常人より凄いから。
No title