地形から見る秋田の水害と県北住みな我が家の状況
2023/07/25 17:17
2023年7月の豪雨について
まずは大雨の被害にあった方々へお悔やみ申し上げます。
いきなり不穏な書き出しですが、他県から見れば秋田といえば秋田全部が大変なことになっていると感じてしまうもの。
すみません、こちらで聞くことではないかもしれませんが、作者様のお住まいのところは大雨被害は無いのでしょうか?
体調もさることながら、連日の報道で九州と秋田が大変なことになっていて…
お気遣いありがとうございます!
私の住む地域は無事ですので安心してください。
とはいっても、あの報道を見れば不安に感じるのは当たり前。
今回はご安心いただくため、2023年7月の水害をまじえ秋田の地形と災害についてお話しします。
とその前に。
私は表では『秋田県北部在住』までしか公開していません。
居住地は非公開ですのでご了承ください。
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作中で見覚えのある風景がたくさん見れますよ!
秋田県の地形
まずはニュースや神セカでおなじみ秋田県全域です。

よく目にするタイプの地図
秋田はいくつかの地域に分かれています。

神セカでいうところのこれ。
これは、秋田で一般的な地域分けをそのまま使っています。
しかしもっとシンプルにすると北と南。
県北と県南で分けた方がわかりやすいし、文化や方言も北と南では微妙に違います。
神セカは県北文化で書かれていますので、秋田県民で変だなと感じたならおそらく県南の方です。
ではなぜ北と南かというとこちらをご覧ください。
衛星写真の秋田県

秋田県のど真ん中が山岳でおおわれていることがわかると思います。

だいたい山を境にこんな感じでわかれています。
交通が発達した今でも中央の山は難所ですし、山を峠を越えて県南に行くなんてよほどの用事がない限り遠慮したいです。
ただし、山と言っても人が住んでいないわけではなく阿仁マタギ集落など小さな村は点在しています。
神セカ読者的にわかりやすく書くとこうです。

地図に記載したものはすべて険しい山の住人です。
おこうと太平山は完全に登山ですし、阿仁マタギ・金勢様・南祖坊はヘビのような峠道でガソリンがガンガン減ります。
なので県北は比較的往来が容易で元は津軽(青森)だった頃の影響(119話『佐多六とシロ』参照)が強く文化や方言が県南と微妙に異なるわけです。
さらに言えば岩手の蒼前様信仰は、県南には(たしか)ほとんどなかったはず。
岩手から県北の平地沿い~日本海までが秋田県での蒼前様(秋田では相善様と呼ぶことが多い)信仰の分布と重なります。
それだけ山岳の影響で分断されているということです。
2023年7月の県南の豪雨被害
被害があった地域は主に県南です。
具体的には秋田市で、それ以外は雨と土砂の複合被害です。

秋田市。
平地(灰色)が多い。
衛星写真だとまるわかり

雄物川まで距離がありすぎて、支流や水路の許容量を超えると平地が水没する。
これが今回の秋田市の水害です。
しかもこの雄物川。
県南全域を走る大河川なので入り込む雨水も膨大です。
県南の上流から雄物川に流入し、最下流の秋田市で最大水量になる。
よって雄物川の水位が上がりすぎると秋田市の排水が鈍る。

馴染みがない方向けに神セカ由来のものを追記
こういったことが重なり秋田氏は未曽有の大水害に見舞われたんだと考えています。
2023年7月の県北の豪雨被害
一方私が住む県北はというと、北と南を分断する山岳こと山バリアがあるため幾分雨量が減ります。

山でパワーを削られたり、山を越えられず停滞したりするため雨量が弱まります(雪も)。
なお、秋田と山形。岩手と宮城ではまるで気候が違います。
これは秋田と岩手、山形と宮城を隔てている大山脈、奥羽山脈がバリアになっているためです。
私の体感では、秋田は雪が多い。
岩手と宮城は雪が少ないけどキッチリ凍るからブラックバーンが怖いといった印象です。
奥羽山脈ほどではないにせよ、秋田県内で似たような現象がおこるため北と南では気候のクセが違うんです。
たとえば、県南、湯沢市(お沢稲荷のところ)辺りはうっそだろ!ってぐらい雪が降る日がありますが北はそこまで降らないです。
さらに県北は山で囲われているだけではなく、町の中心付近を大河川、米代川が通過するため水はけがいいように感じます。
秋田に馴染みのない方向け、神セカ由来の名称付きMAP

街近辺に米代川。
または街の真ん中に広い支流がある。
衛星写真だとわかりやすい

大きな街はだいたい米代川流域の平地にある。
雄物川よりも小規模なせいか、はたまた河川水運が発達していたせいか治水がしっかりしている気がします。
それでも豪雨+長雨だと米代川の堤防の低いところで決壊することもあるのですが、そういう場所はだいたい田んぼ。
調べたわけではありませんが、田が調整池のような役割をして家屋まで水が届かないようになっている印象を受けます。
もちろん、水没しやすい場所もありますが県南と比べればそこまでといった感じです。
むしろ山に囲まれた地形なので土砂災害が怖いです。
実際、街から外れた集落ではちょこちょこ道路が崩れていますし、五城目(パインが根城にしている町)では土砂崩れと川の氾濫がが合わさってえらいことになっています。

全国でも似たような土地はあると思うけど、このページは五城目の話。
五城目は大部分が山で奥に行くほど治水に難がある土地が多い。

今回被害が出ているのは去年も大雨で浸水した土地。
つまり、治水工事か予算のどちらかが追い付いていないんだと思います。
現に、大館(シロとタタラがうろうろした町)は去年浸水した川(下内川)を急ピッチで工事(たぶん河道掘削工事)し何事もなく済んでいます。
ですが大館市は秋田第二の都市。
五城目町とは規模が段違い。予算も段違い。
その辺が命運を分けたのかもなんて思ってます(もちろん大館はあまり降らなかったってのもあるけど)。
まあ、皆様ご存じの通り我が家は山奥なので怖いのは土砂崩れ。
今回の雨量が数日続けば山の保水量を越え一気に、なんてこともありえますのでドキドキです。
ただ米代川からは遠く、高めの場所に住んでいますので土砂と一緒にサーフィンドカーンはあっても浸水はないです。
いかがでしたでしょうか?
(間違っているところもあるかもですが)以上が私が住む地域の状況です。
ご安心いただけたら嬉しいです。
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秋田市に知り合いが居るのですが
1人は床下、もう1人は床上まで浸水したそうです
どちらもお店を経営してるので復興が進んだら売上に貢献しようと思ってます
今下手に行っても邪魔になるだけなので
ぼくの住んでる所は雨が多かったくらいですね
河川砂防情報システムを1日眺めてたの初めてでした(笑)
秋田市、男鹿市、五城目町、八郎潟町、潟上市、井川町、大潟村、由利本荘市、にかほ市
は県央に分類されるそうです
北と南だとあまりにザックリだったので一応。
名も無きハタハタ さんへの返信
さておき県央。
他県の方にはピンと来ないかな?ってのと、三分割より南北の方がわかりやすいかなと思い大胆に行っちゃいました。
というわけで結構ザックリした書き方してるのであいつ(私)は無事程度の読み物でお願いします~
……と思わずツッコんでしまったのですが、なんのことはない、大雑把に雄物川流域が県南で米代川流域が県北、ということなんですね。
地形からすると、本来は八郎潟が南北を隔てていたものの今は干拓されて境界としての役割を失い、その八郎潟は能代市より人口の多い秋田市付近からの影響のほうが強いからなし崩し的に八郎潟まで県南扱いになった、みたいな雰囲気を感じるのですが、いかがなものなのでしょうか?
名も無きハタハタ さんへの返信
心配しているコメ主さんはそこまで求めていないだろうってことでざっくり行きました。
仰る通り米代川と雄物川、あとは山の位置をおさえておけば今回の水害は理解できるでしょうし。
あとは、県北民は県央県南をどう見ているかもありますが長くなるのでいずれままた!
わざわざ記事にてもお返事いただき恐縮です
言い出しっぺがコメント遅くてすみません
地形や文化、江戸時代までの統治藩によっても県北や県南って分かれますよね!
神セカキャラに絡めた地図、グッと親近感が湧きました
歴史の授業で戦国時代あたりだけ盛り上がる感じと似た感覚です