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森吉山の巨人は何センチ?町史の巨人と真・アメッコ市

2023/11/13  20:16
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今回は久しぶりの民俗コラム、伝承から探る巨人の大きさと田代岳の歴史を神セカと絡めお話しします。






森吉山の巨人


お話のきっかけはこちら。


列島を作ったとかデッカイ化物の退治とか途方もない奇跡の神話よりも、人に可能な行為をちょっと拡大するくらいの逸話のほうが身近に感じられるし、日本の神様って感じがしますねー。




現在神セカで活躍中のデッカイ化物こと鬼神三吉鬼。

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ド直球のパワー系


森吉山の巨人の異名を持つだけあり、デカいは強いを地で行くキャラクターです。

スクリーンショット 2023-11-08 025342
比較
三吉霊神のミヨシと鬼神三吉鬼。二人は兄弟神。


ミヨシの身長は完全版で公開している通り177㎝です。


スクリーンショット 2023-11-08 030816
小柄な子を大きく設定しすぎたので直したい


ということは、鬼神の身長は200㎝あるかないかです。




ダイダラボッチ


200㎝。
果たしてそれで巨人と呼べるのか?


我が県のご当地ヒーローはこう言っています。




森吉山の巨人、おいだらの巨人=でかいやつ。


じゃあ鬼神もミヨシも巨人でいいのかな?

いやいや177㎝と200㎝って下手すりゃITOKU(天下の大スーパー)で見るで!
そもそも私が177㎝だし!


しかし昔と今は違います。
江戸時代の平均身長が、男性155~158㎝、女性143~146㎝と言われています。

はたして昔の人はどのくらいの大きさを巨人と感じたのでしょうか。




町史の巨人


その答えの一例が田代岳。
神セカで言うところ、アメッコ市でおなじみの薬師おこうが住む白ひげ大神が祀られた山にあります。

※アメッコ市の詳細はこちら
アメッコ市と白ひげ大神とおこう物語

アメッコ市と白ひげ大神とおこう物語

神様セカンドライフ 47話「白髭大神と人神おこう」(旧49話)よりブログ版おまけです。今回は趣向を変え、47話の元ネタ『アメッコ市』の解説をします。



この先蛇行運転のように脱線するのでまずは答え。

田代岳のある田代町史から要約します。


天保十年(1839)、当時の田代岳は、雨乞いの山、霊山、そして仙人や山人、山鬼が跋扈する異郷でした。

近隣の村人が田代岳参りのため登頂した帰り道、道に迷い谷川を下っていきました。
しばらく進むと滝つぼに遭遇、道は途絶えどうしたものかと途方に暮れていると滝つぼに人影が。

よく見ると六尺の大女が水浴びをしているのを発見、大慌てで逃げ出します。

気づいた女は山が震えるほどの水を巻き上げクルミのような雹を降らせ襲ってきた。

逃げ帰った村人はそう語りました。




六尺の大女!
センチに直すと180㎝の女性!

巨女とかご褒美じゃん!


これに驚くなら、ミヨシも鬼神もおいだらの巨人、森吉山の巨人と名乗ってよさそうです。


よかったよかった。



巨人の話はこれでお終い、ここから脱線します。




神秘の霊山からマウントタシロへ


本作でたびたび取り上げる田代岳は、白ひげ大神が祀られる山で、アメッコ市の日は山から飴を買いにおこうとともに白ひげ大神がやってくる。


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祭典アメッコ市

神セカ読者の皆さんや、悪いインターネッツに迷い込んだ大館市民の皆さんならそんなイメージだと思います。



どうでしょう?
先ほどの田代岳の巨人の話。
皆様のイメージとずいぶん離れていませんか?

神秘的な霊山からマウントタシロくらいかけ離れていませんか?
水を操る巨女みたいなヘキの塊どっから出てきたって感じじゃないですか?



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巨女なん?


実は、実際の祭典や本作で描いているアメッコ市やおこうの姿は昭和に作られたもので本来の田代岳は別物です。




アメッコ市に変えられた田代岳


今では、田代岳の神様は白ひげ大神とされていますがこれ以前。
おおよそ昭和50年代(40年代かも)より前は田代岳の神様は女神でした。

これには大館市のアメッコ市が深くかかわっています。


昭和46年以前のアメッコ市は

飴の市(いち)があり、あちこちの山から仙人や山人(神仙以外の人ならぬ者)が飴を買うために山を降りてきて、住処を知られないよう足跡を消すため吹雪をおこす。



要点だけになりますが、これが大昔のアメッコ市。
少なくとも明治時代のアメッコ市はこうでした。


そうです、白ひげ大神もおこうもいないのです。


白ひげ大神が登場するのは昭和46年、大館市の観光協会がアメッコ市にイベントが欲しいと考え生み出したのが、山から飴を買いに来た仙人が祭典をねり歩くというもの。

このために隣接する町の山、田代岳の白ひげ大神をかつぎだしたのが始まりで、おこうは白ひげ大神とアメッコ市を結びつけるために創作されたものでした。

その後年月が進むにつれ、二人は祭典の顔になり田代岳の神様は白ひげ大神に定着し今に至ります。


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おこうのパッケージ飴




むかしむかしの田代岳


アメッコ市以前の白ひげ大神は、稲作と豊穣、そして水を司る神様で、寛永9年(1632)の大洪水『白髭水』から来ていると言われています。


田代町史曰く

白髭水の伝承があるところでは白髭明神を祀り、滋賀の白髭神社に合わせサルタヒコを祭神にしている場合が多い。
水を支配する白髭の神と田代(※)が結びつくのは自然なことと考えられる。
(※田代のシロの語源は、苗代や代掻きのこととされ田を指している、または湿地を指していると言われている)



とあります。

当時の田代岳は、雨乞いの山であり参拝客が絶えない霊山。
そして、水を操る巨人や、田畑へ恵みを与え時には洪水に乗って現れ、洪水を予言し人々を導くこともある神様や山鬼、山人といった巨人が跋扈する仙境の山だったのです。


その後、大館市がアメッコ市のテコ入れに白ひげ大神を組み入れて、おこうの物語を創作したことで仙境の山は今の姿へ変わっていきます。



これには一悶着ありました。
なぜなら当時の田代岳は大館市のものではなく田代町の山。

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ざっくりした合併前の境界


当時の田代山神社(白ひげ大神が祀られる田代岳の山頂神社)の宮司が、他町の神を利用することに疑問を延べています(そりゃそうだ)。
わざわざ町史に記すぐらいです、たった一人の想いではなかったはず。

そもそも山とは財産です。
時代によっては、山に生かされている土地は珍しくはなく山に関する掟を作り隣接する村々と共有し、トラブルが起きないようにすることだってありました。

昭和40年代ならそこまでの依存はなかったと思いますが、山とはそういうものです。

しかも、江戸時代以前から津軽(現在の青森県)・綴子(北秋田市)・花岡(大館市)・田代と隣接し崇敬されていた霊山なら尚更です。


しかし時は経ち、アメッコ市に白ひげ大神とおこうが定着。


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白ひげ大神巡行



そして平成の大合併で同じ市になった今では異議を唱える人もいなくなり、山鬼も巨人もいない霊山田代岳へと変わりました。


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ついでに比内鶏でおなじみ比内町も同じ市に。


大雑把ではありますが、これが田代岳の歴史です。




神語り・白ひげ大神とおこうの物語


大館! 君さあ、、、

そんな風に一言チクリと言いたいところですが、以上を踏まえ白ひげ大神とおこうの物語を読みなおしてみてください、、、

少なくとも完全な創作ではなく、かつての白ひげ大神の姿を残そうとしていることがわかり、よりいっそう味わい深い物語に変わると思います。




巨人が導く神語り

これで話はおしまいです

アメッコ市にはもう一つ

忘れ去られた顔がある

祭りはうつろい変わるもの

おそらくきっと他もそう

それにつけても例の巨女

今でもこれでよかったの?

おこうが巨女でもいけたかな?

背中を丸めアメを練る

巨こうの姿がいとおしい

しかしそれでは鬼神すら

巨こうのパンチで沈みそう

ついでにミヨピも沈みそう

過ぎた妄言もう結構

以上拝聴ありがとね



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コメント

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あまね 2023/11/13 21:54

裏話ありがとうございます。面白かった!
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名も無きハタハタ 2023/11/16 12:30

六尺様か……

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